四季報のトピックスから分析する(コメダホールディングス)
2020年夏号の四季報に記載しているトピックスから分析します。
今回は、喫茶店でも異色を放つコメダホールディングスです。
なぜ、異色を放っているのかというと、喫茶店業界において異常なほどに経営がうまいからです。
トピックス
【逆風】【奮戦】
逆風とは・・・進んで行く方向から逆に吹いて来る風。むかい風。
奮戦とは・・・力を奮って戦うこと
1つ目の逆風についてですが、コロナウイルスによる市況が急激に悪化したことによることでしょう。
コメダ珈琲は客単価もよく、居心地の良い環境を提供していますが、コロナウイルスによる自粛でだれも外出しなくなり、客が減ったことによるダメージはとても大きいと思います。
2つ目の奮戦ですが、ここからがコメダの強いところです。
そもそも、コメダですが、2019年度の売上は312億、営業利益は79億です。
営業利益率が脅威の20%超えです。これが本当にすごい。
低価格で提供しているドトールは営業利益率は10%で、コロナにより営業赤字転落は避けられないと思います。
コメダは業界3〜4番手で、一番手はスターバックスコーヒーで知られるスターバックスジャパンで約2000億円と大きな差がありますが、営業利益は180億円で利益率は9%です。
つまり、営業利益率が他社平均10%に対し、コメダはその倍の20%をずっと維持できていることが驚異的なところです。
また、7月15日にコロナの影響が大きく受けた20年4〜6月の実績が公開されました。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3543/ir_material_for_fiscal_ym/83722/00.pdf
これをみてとても驚いたのが
売上 前年比80% 営業利益 前年比48% と大幅な下落をしていますが
これを数字にすると
売上:59億(前年74億)営業利益:9億(前年19億)
になります。
よく見てください。業績は大幅に低下しているものの、営業利益率は15%近くを維持しております。
なんという健全な企業だ・・・!
奮戦という言葉に戻りますが、今後のコロナによる影響が心配されますが
6月は前年88%と一番ひどい4月度の55%から大きく改善されております。
テイクアウトも順調に伸びていますし、喫茶店業界としては逆風が吹いておりますが、これを十分に持ちこたえるだけの力がある企業であると思いました。